落合恵子 著
定価(税込):1,540円
四六判 並製 264ページ
発売日:2021/3/19
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30年を経てよみがえる血縁を超えた〈家族〉のかたち
【内容紹介】
1980年代、直木賞候補の常連だった作家・落合恵子が1990年春、一冊の小説を世に送り出した。31年後の今の姿を加筆して復刊。
舞台は1989年、東京・中野。その一角だけ武蔵野の面影を残すような樹木の生い茂る洋館のアパート。ここに暮らすのは6歳から66歳までの男女7人。世代も境遇も異なるが、生まれた家や婚家などで家族に傷つき、偶然にここに集まってきた。大家族のように暮らしながら、それでいて個の生活に踏み入らない節度に、住人は癒やされ、強くなっていく。樹々や草花、鳥や昆虫、そして手作りの料理の数々…。日常をいとおしむような場面に彩られた小説は、今こそ輝きを放つ。
『血縁の家族に疲れ切って、「結縁」の家族を新しくつくりあげる人々を書いた『偶然の家族』。こ
の小説には、年が離れたゲイの恋人同士も登場する。(中略)。親しい文芸関係の編集者から
、言われた。「なぜ、敢えてゲイを書く必要があるのだ」。なぜと問われても、わたしが心惹かれるの
は、書きたいのは、社会の枠組みから、ともするとはずれがちなひと、はずされる人々なのだ。』
( 『「わたし」は「わたし」になっていく』=東京新聞= より)
落合 恵子
1945年生まれ。作家。子どもの本の専門店と女性の本の専門店、オーガニックレストランなどを核とする「クレヨンハウス」を東京・表参道などに主宰して45年。著書に『決定版 母に歌う子守唄 介護、そして見送ったあとに』『泣きかたをわすれていた』『明るい覚悟 こんな時代に』など。海外絵本の翻訳も数多く手掛ける。2020年、子どもの文化全般に寄与した功績は絶大だとして第55回ENEOS児童文化賞を受賞。