■商品概要
埼玉県日高市の巾着田曼珠沙華(きんちゃくだまんじゅしゃげ)公園でヒガンバナが咲き始めた。新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため二〇二〇年から二年連続で芽が刈られたが、今年は三年ぶりに深紅のじゅうたんを楽しめるとあって大勢の見物客が訪れている。
曼珠沙華とも呼ばれるヒガンバナは、秋の彼岸の時期に直径十センチほどの深い赤色の花を咲かせる多年草。同市によると、市内を流れる高麗川の増水で流れ着いた球根が定着したとされ、草刈りをした平成初期ごろから増え始めた。今では清流に囲まれた三・四ヘクタールの雑木林に五百万本が咲き誇り、コロナ以前には期間中約二十万人が訪れる日本有数の群生地となった。
十六日現在、早咲きのエリアで見ごろを迎えた。「花のピークは二十四日までの一週間になりそう」と市産業振興課。「今年は台風の進路が気掛かり」と気をもむが「三年ぶりにようやく動き出せる、と職員も意気込んでいる。少しでも花が長く持って多くの人に楽しんでもらいたい」と話した。
開花期間中は入場料五百円(中学生以下無料)。「巾着田曼珠沙華まつり」(十月二日まで)も開催され飲食や土産物の露店が会場に彩りを添える。市は「開花状況など詳細は市観光協会のホームページに掲載しているので確認してほしい」としている。(文と写真・隈崎稔樹 紙面構成・宮本直子)
紙面より一部抜粋(2022年9月18日発行 東京新聞朝刊)