■商品概要
3月は何かと金魚と縁のある月らしい。例えば3月3日は「金魚の日」。かつて、ひな祭りでひな人形と一緒に飾っていたからだとか。また、東京の金魚の特産地である江戸川区の都淡水魚養殖漁業協同組合で行われる「初競り」は、毎年3月の第1木曜日と決まっている。
お昼過ぎから始まった初競りには、関東の仲買業者ら10人ほどが参加。威勢のいい声で1匹あたりの単価を表す「リマル」、「テンガン」など独特の符丁が飛び交い、活舟(いけふね)に屋号を示す札が投げ込まれていく。赤や青、複雑に色が混じり合った「東錦(あずまにしき)」や、「和金」など20種2万5千匹は次々に競り落とされ、初競りは1時間半ほどで終了した。
1940年ごろ、区内には23軒の養殖業者があり、年間約5千万匹を生産。愛知県弥富市、奈良県大和郡山市とともに、国内の三大生産地として知られていた。しかし、都市化に伴い、現在は2軒を残すのみ。同組合の堀口英明さん(72)は「もっと生産量を上げて多くの人に金魚の魅力を知ってもらいたい」と話す。
競りは4~9月の毎週木曜日と3、10、11月の隔週木曜日に開催される。
紙面より一部抜粋(2024年3月24日発行 東京新聞朝刊)