■商品概要
夏の大三角からいて(射手)座にかけて幾千もの星々がきらめく。天の川を観測しやすい季節が到来した。栃木県日光市の戦場ケ原では、新月期の午前零時ごろから明け方にかけて、男体山の上空に薄い雲のような光の帯が立ち上ってくる幻想的な光景が見られた。
国立天文台(東京都三鷹市)によると、銀河系は直径約十万光年の薄い円盤のような形をしており、太陽系はその中心から約二・六万光年に位置する。太陽を公転する地球は夏の夜、星が密集して見える銀河系の中心方向を向く。反対に銀河系の外側を向いている冬に比べて天の川が太く濃く見える。
観測に適した夏にかけて徐々に早い時間に見られるようになり、八月上旬には午後九時ごろに南中する。(写真と文・隈崎稔樹)
男体山の上に架かる天の川。時折流れ星も見られた=10日、栃木県日光市の戦場ヶ原で(14ミリレンズ、20秒露光、F2.8、ISO8000)
紙面より一部抜粋(2021年4月21日発行 東京新聞夕刊)