■商品概要
新青梅街道沿いの住宅街にそびえる195メートルの電波塔。正式名称は「スカイタワー西東京」だが、周辺住民の間では古くから「田無タワー」と呼ばれ、親しまれてきた。「ほかに高いビルがないから、どこからでも見える。街のシンボルかな」。子どもと近くの公園で遊んでいた主婦の本橋加奈さん(41)が頭上を見上げた。
タワーは1989年完成。建設当時は自立鉄塔として日本で3番目の高さだったという。
タワーには、防災行政無線やタクシー無線、携帯電話、コミュニティエフエム放送のアンテナが取り付けられ、基地局、中継基地局として活躍。風力など気象変化を測定する実験局としての役割も担っている。
夜になると、ライトアップで翌日午前中の天気予報を知らせる。晴れは紫、曇りは緑、雨は青。人々はタワーを見上げ、明日を思う。
タワーの隣にあるのは、多摩六都科学館。直径27.5メートルのドームに1億4000万個の星を映すプラネタリウムや観察、実験、工作の体験型プログラムが用意され、多くの子どもたちでにぎわう。(岡本太)
紙面より一部抜粋(2023年5月7日発行 東京新聞朝刊)