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11月3日、横浜スタジアムは26年ぶりの熱狂に包まれた。本拠を置くプロ野球・横浜DeNAベイスターズが、日本シリーズで1998年以来の優勝。ブルーのユニホーム姿のファンがスタジアムのある横浜公園を埋め尽くし、夜空に万歳と凱歌(がいか)がとどろいた。
歴史をさかのぼろう。横浜公園のある場所は江戸時代、遊郭だった。1866年の大火で焼失。明治の初めに公園が造られ、スタジアムの前身となるクリケットグラウンドが整備された。
外国人居留地と日本人居住区を隔てる防火帯として整備されたのが、海に向かって延びる日本大通りだ。歩道と車道を合わせた36メートルの道幅は完成した当時のまま。黄金色を帯びるイチョウ並木は1923年の関東大震災後、同じく防火帯の役割で植えられた。
横浜港周辺は幕末にペリー一行が上陸し、日米和親条約が調印された地。周辺には神奈川県庁や横浜地裁など、昭和初期の建物も残る。横浜都市発展記念館の吉田律人・主任調査研究員は「この地から日本の近現代史が始まった。大火や震災を経て、近代横浜が歩んできた歴史を今も感じ取ることができる」と話す。(曽田晋太郎)
紙面より一部抜粋(2024年12月2日発行 東京新聞朝刊)